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歴史と観光が融合した和歌山の定番スポット「紀三井寺」

和歌山市近郊・和歌山市

歴史と観光が融合した和歌山の定番スポット「紀三井寺」

紀三井寺は1250前の宝亀元年、為光(いこう)上人によって開基されたお寺で、昨年(2020年)がちょうど1250年目で紀三井寺にとって節目の年でした。紀三井寺は日本最古の巡礼道「西国三十三所観音霊場巡礼」の2番目の巡礼札所で、令和元年5月には、「西国三十三ヵ所巡礼道」が「1300年続く日本の終活の旅」として日本遺産に登録されました。

 

観光地としても有名な紀三井寺

紀三井寺は観光地としても人気が高まっており、最近では、巡礼で訪れる方よりも観光目当てで来られる方の方が多くなっているそうです。紀三井寺は近畿の中で一番桜が咲くのが早い”早咲きの場所”として有名で、毎年、本堂のすぐ前にあるソメイヨシノ標本木に5輪の花が咲いたら、和歌山で開花宣言が行われます。関西圏から訪れる方が多いですが、行事ごとになると和歌山市内や有田方面、大阪の泉南方面からの方も来られ、年に25~6万人ほど観光客が訪れます。もっとたくさんの参詣者に訪れて欲しいと語る前田泰道住職は、紀三井寺に足を運ぶのを阻む要因として、231段もある石段を挙げられました。

「231段もあるので登り切れなくて諦めてしまう方が多いのです(年配の方が特に)。若い方でも、登らずに下から見上げて満足してそのまま帰る方もいます。」と少し残念そうにおっしゃっていました。そこで紀三井寺では、昨年の11月にエレベーターを設置。階段で表すと50~60段分ぐらいです。残りの170~180段分は現在小さなケーブルカーのようなものを門の所に設置しようと計画中だそうです。ケーブルカーが導入されれば、さらに本堂まで来る方が増えそうですが、前田泰道住職は「そもそも観音様のいるお寺は山の上にあるなど、少し登りにくいところにあります。難行苦行をして参るのに意味があるので、本当は石段を登って上がってきてほしいですね。」とおっしゃっていました。

 

紀三井寺本堂と桜に囲まれた気分になる、エレベーター到着地点から本堂をつなぐ橋

紀三井寺本堂と桜に囲まれた気分になる、エレベーター到着地点から本堂をつなぐ橋

紀三井寺本堂と桜に囲まれた気分になる、エレベーター到着地点から本堂をつなぐ橋

 

紀三井寺でタイムトライアル⁉

良い人に巡り合う坂として有名なこの231段もの石段、”結縁坂”。この石段に注目してほしいという前田泰道住職の思いから、3年ほど前から「福開き速駈詣り(石段を駆け上がるタイムトライアル)」が始まりました。駆け上がる石段は楼門からの210段。元和歌山工業高校の陸上部で日本陸上100mの記録保持者である青戸慎司選手は、高校時代に210段の石段を21.9秒という驚異のスピードで駆けあがったそうです。これは1秒間に10段上がらないと達成できないタイムです(私自身石段を駆け上がらず、歩くペースで登っただけでしたが、それでも息が上がるほどだったので、この記録を聞いた時は衝撃的でした)。後日この話を書いた看板を、階段の前に設置したのがきっかけで、2018年から始まったこの行事は今では恒例行事です。1着の方は「速駈王」「速駈姫」という称号が与えられます。「福開き速駈詣り」は毎年1月の成人の日に開催されていますが、今年(2021年)はコロナの影響で夏頃の開催を予定しています。

意外と知られていない、紀三井寺にとって大切な日「紀三井寺千日詣」について

「紀三井寺千日詣」は、1日のお詣りで1000日分の功徳が頂ける特別な日で、毎年8月9日に行くとその功徳が得られます。紀三井寺が竜宮城との深い関わりがあることから、実際に竜宮城に灯る明かりが紀三井寺へ献上される場面を再現したパレードを行っています。このパレードで登場する乙姫様は、毎年行われる「乙姫オーディション」で全国から募集して決められているそうです。歴史的要素が強いイメージがあった紀三井寺でしたが、福開き速駈詣りや乙姫オーディションなど、他のお寺では行っていないようなイベントも積極的に行われています。

 

紀三井寺・千手十一面観音像の祀られている建物の3階から見える美しい桜の景色

紀三井寺のおすすめポイント

紀三井寺で満開の桜が咲くころに下から見上げると、桜のピンク色と朱色の紀三井寺が合わさってとってもきれいなのでおすすめです。また、巨大な千手十一面観音像の祀られている建物の3階に上がると、たくさんの美しい桜と和歌の浦の景色を一望できます。

最後に

最後に嬉しいお知らせです。2021年4月8日~5月29日に紀三井寺秘仏ご本尊「よみがえり御開帳」が開催中です!この「よみがえり御開帳」は、各日10:00~16:00に実施されます。
歴史的な部分と観光的な部分を両方持ち合わせている紀三井寺。どの季節に行っても楽しく、感動する観光地ですのでぜひ訪れてみてくださいね。

紀三井寺

所在地
和歌山県和歌山市紀三井寺1201
TEL
073-444-1002
URL
https://www.kimiidera.com/
営業時間
[本堂・納経所] 8:00~17:00
[仏殿大観音像拝観] 8:30~16:30
アクセス方法
[車]JR 和歌山駅から20分
[電車]JR和歌山駅からきのくに線乗り継ぎ、普通電車南方面へ。
その他
[御祈祷・御回向]実施時刻は、上記電話番号へお問い合わせ下さい。

宮浦七海

~紀三井寺でタイムトライアル⁉~

良い人に巡り合う坂として有名なこの231段もの石段、”結縁坂”。この石段に注目してほしいという前田泰道住職の思いから、3年ほど前から「福開き速駈詣り(石段を駆け上がるタイムトライアル)」が始まりました。駆け上がる石段は楼門からの210段。元和歌山工業高校の陸上部で日本陸上100mの記録保持者である青戸慎司選手は、高校時代に210段の石段を21.9秒という驚異のスピードで駆けあがったそうです。これは1秒間に10段上がらないと達成できないタイムです(私自身石段を駆け上がらず、歩くペースで登っただけでしたが、それでも息が上がるほどだったので、この記録を聞いた時は衝撃的でした)。後日この話を書いた看板を、階段の前に設置したのがきっかけで、2018年から始まったこの行事は今では恒例行事です。1着の方は「速駈王」「速駈姫」という称号が与えられます。「福開き速駈詣り」は毎年1月の成人の日に開催されていますが、今年(2021年)はコロナの影響で夏頃の開催を予定しています。
~意外と知られていない、紀三井寺にとって大切な日「紀三井寺千日詣」について~
「紀三井寺千日詣」は、1日のお詣りで1000日分の功徳が頂ける特別な日で、毎年8月9日に行くとその功徳が得られます。紀三井寺が竜宮城との深い関わりがあることから、実際に竜宮城に灯る明かりが紀三井寺へ献上される場面を再現したパレードを行っています。このパレードで登場する乙姫様は、毎年行われる「乙姫オーディション」で全国から募集して決められているそうです。歴史的要素が強いイメージがあった紀三井寺でしたが、福開き速駈詣りや乙姫オーディションなど、他のお寺では行っていないようなイベントも積極的に行われています。

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