グルメ
和歌山市近郊・和歌山市
加太は万葉の時代から『形見の浦』と詠まれていた景勝地であり、漁港の町としても有名なエリアです。せっかく加太に来たなら、新鮮な加太のお魚料理を頂きたいですよね。そこでおすすめのお店が「SERENO-seafood&cafe-」です。お店は、加太の海岸沿いを通って少し細い路地を歩いた先にあります。「SERENO-seafood&cafe-」は、築100年の古民家をリノベーションして作られており、店内は白とグレーを基調としたモノトーンで、今若い世代に人気の高い”韓国カフェ”のようなスタイリッシュな空間が広がっています。壁面はグレーの少しザラザラした感触の耐火ボードを使用しています。若い方は壁面と向かい合うカウンターに座り、インスタ映えとしてそのグレーの壁を使って料理と一緒に撮影する方が多いです。古民家のレトロ感を完全に無くしたわけではなく、元々あった欄間や柱などはそのまま使われています。古民家の良さも活かしつつ、今に合う形として設計された新しいスタイルの古民家カフェです。この耐震補強などの設計はお店の向かいにある「東京大学生産技術研究所川添研究室加太分室地域ラボ」の設計チームが行い、店内の内装やデザインはオーナー西川さんが行いました。
この「SERENO(セレーノ)」はイタリア語で「晴天」を意味し、オーナーの下の名前である「晴麗」の「晴」と、オーナーのお父様が鯛の一本釣り漁師で、その漁師の仕事が加太で太陽とともに仕事をしているイメージと重なったことから決まりました。ここでお店を始めたきっかけは、オーナーのお父様から加太の地域活性化の一環として、空き家を使ってくれる人を探しているという話を聞いたオーナーが、「自分がそこでお魚料理を提供するお店を開くことで、加太のお魚のおいしさを広めることができ、さらに地元の地域活性化にも繋がるのではないか」という思いから始まったそうです。
古民家のイメージを覆す、新しい形の古民家カフェ
「SERENO-seafood&cafe-」で頂けるランチメニューは、観光客からも人気の高い「加太の海の恵ランチ」です。写真に写っている加太のお魚とその横にあるひじきや天草などの魚介類は、漁師であるオーナーのお父様の一本釣りや素潜りで獲った新鮮な魚介類を使用しています(他の加太の漁師さんからお魚を購入する場合もあります)。このお魚料理は、その日に一本釣りで獲れたものや釣った後に1日いけすで泳がせたものなど、魚が一番ストレスのない状態になってから捌いて提供していますので、お魚の種類は毎日変わります(取材時は、鯛、ハマチ、メジロ、タコでした)。どのお魚も身が分厚く食べ応えがあり、新鮮なのでとても味がしっかりしています。おみそ汁は、鯛のあらから取ったお出汁のおみそ汁なので、普段飲むものとは違い、飲むたびに魚のいい香りが漂ってきます。
オーナーは「加太は目の前に海があるのに、加太のお魚を気軽に食べられるレストランがとても少ないです。だから、カフェではありますが(加太をPRできるように)、加太の魚を使った定食を提供しています。加太は観光にも力を入れている地域なので、観光客も多く訪れます。ですので、ここに来られた方には加太の魚のおいしさを食べて知っていただきたいなと思っています。」とおっしゃっていました。また、ハマチを使ったタコスランチもおすすめです(日によっては、アジやサバを使うこともあります)。オリジナルのサルサソースとフレッシュな野菜、そして爽やかなライムの香りも感じられるボリューム満点のタコスです。どちらも加太でしか食べられないメニューですので、ぜひお召し上がりくださいね。
お店に来たお客さんの9割が注文する『加太の海の恵ランチ』(左からタイの湯引き、ハマチのお造り、メジロの炙り、たこ)、ハマチとフレッシュな野菜を使った「タコスランチ」
オーナーの加太への思いとオーナーのお父様の釣るお魚のおいしさを知ってもらいたいという思いから始まった「SERENO-seafood&cafe-」。一度行ったことのある方は、この背景を知ってから行くとまた違った味わいを感じることができるでしょう。加太でお魚料理を頂きたいときは、ぜひ「SERENO-seafood&cafe-」を訪れてみてくださいね。
宮浦七海
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